得意のコミュ力を活かせなかった就活【西室隆規】

はじめに

こんにちは!キャリアデザイン部です。

今回は、MC渡邉大剛、ゲストに品川CCサッカー#22西室隆規選手を迎えたインタビューを発信します!

鹿島アントラーズユースでキャプテンを務め、法政大学を卒業後複数のクラブでプレーし、2023年に品川CCへの入団を決めた西室選手。持ち前のリーダーシップとコミュニケーション能力を活かしてチームを率い、積極的に人との関わりを築いてきた彼が就職活動で直面した壁。サッカーで築いてきたキャリアと自他ともに認めるコミュニケーション能力は就職活動では有利に働かないのか。いや、有利にできるかどうかは活かし方次第だったということを、自身の経験から語ってくれました。 是非ご一読ください!


なりたい自分が実現できる「1.5キャリア」

渡邉:鹿島アントラーズユースから法政大学に進み、2016年にカターレ富山に入団。その後ヴェルスパ大分、ラインメール青森、MIOびわこ滋賀(現 レイラック滋賀FC 以下MIO)でのプレーを経て2023年に品川CC(以下、品川)に入団し、「1.5キャリア」の1年目を全力で駆け抜けていると伺っています!就職活動もまだ記憶に新しいと思うので、是非その辺りも詳しく聞かせて下さい。まず、就職活動をどのタイミングで考え始めたか教えていただけますか?

西室:大学卒業時は、全く就職を考えていなかったです。幼い頃からプロサッカー選手になりたいという一心でサッカーをしてきたので、その考えを持つことはなかったですね。就職については、プロを退くと決断した時に初めて考えました。

渡邉:2022年にMIOの退団を決断していますが、契約満了のタイミングだったんでしょうか?

西室:いや、延長オファーはもらっていました。自分で決断して第一線を退きましたね。

渡邉:自分自身の判断だったんですね。第一線を退いて、次のキャリアで仕事とサッカーの両立を選んだ理由はどういったものだったんでしょうか?

西室:当初はサッカー、つまり競技からは離れようという考えを持っていました。そこでいうと、どんな仕事をするかしか考えていなくて、仕事100%の選択肢しかなかったです。

渡邉:そこから「1.5キャリア」(=仕事とサッカーの両立)に行きついた経緯はどういったものだったのでしょうか?

西室:自分で考えても答えが出なかった中で、両親に相談出来る訳でもなく、サッカーを通じて出会った方々に相談してましたね。MIOの時には、自分の経歴、その時の心境、今後どうなっていきたいかを話し、素直に「スポンサーになって下さい!」とお願いすると共感して下さった経営者の方がいて。その方には移籍して間もない時から、個人スポンサーをしていただいていましたし、未だに交流があって食事に行ったりする関係が続いています。チームを離れる決断をした時には、ありがたいことに自分の会社に来ないかとも言っていただけて。中でも「1.5キャリア」に繋がったのは、どんな自分になりたいのかを明確にして逆算して選択するといいというアドバイスでした。現実的になり過ぎて「やってみたいけど出来ないだろうな…」と考えるのではなく、そこを抜きにしてどんな自分になりたいかを考えることで、サッカー以外のことは考えられない自分と、経営者になってみたいと思っている自分がいることに気づいたんです。そこから難しいことに積極的に挑戦したいと考え、両立(=1.5キャリア)しようという想いを持つようになったんだと思います。振り返ってみると、サッカーを通じて出会えた方々に僕の人生の選択肢を増やしていただいたおかげで、今充実した日々を送れているので、そういった意味でもサッカーに感謝しています。

渡邉:なかなかアスリートで「うちの会社に来ない?」なんてことを言ってもらえることなんてないと思うんですが、何か意識されていることってあるんでしょうか?

西室:ありのままなので意識していることはないのですが、根本的に人が好きなので、無意識でも周りを大事にして来たんじゃないかとは思います。あとは、かっこつけるよりも素直でいることですかね(笑) 渡邉:西室君の素直さや人を大事にする姿勢が周りにも伝わって、そういった出来事に繋がるんでしょうね。

ロボットみたいと言われた就職活動

渡邉:では、実際に就職活動を始めてみてどうでしたか?

西室:コミュニケーション力は、自分自身でも長けている方だと思っていたんですが、ことごとくダメでしたね(笑)

渡邉:今話しててもそうですけど、コミュニケーション力は高い方だとお見受けしていたんですが、うまくいかなかったんですね。先ほどのお話でもありましたが、プロサッカー選手時代に経営者の方に自社に来ないかって言ってもらえるくらいの人間力も持っているんじゃないかと思っていたんですが、それと就職活動は別ものだったってことですか?

西室:正直、コミュニケーション力で言えば、全部受かるんじゃないかと思うくらいの勢いで受けていたのですが、かなり落ちました。ロボットみたいだったという面接FBももらいましたよ(笑)

渡邉:ロボットですか?(笑)何がそうさせてしまったんでしょうか?

西室:言い訳ですが、面接がオンラインだったことですかね。間とか仕草、表情でコミュニケーションを取るのを得意としていたんですが、オンラインでは空気感が分からなくて。緊張してしまうのは仕方ないので、伝えたいことをそれまで以上に整理し品川のスタッフにお願いしてオンラインでのトレーニングを重ねたり、オンライン面接の正しい目線等小さな不安も聞いて解消して臨むことで、緊張しないための工夫をしました。 渡邉:やはり対面とオンラインでは全く違うんですね。コミュニケーションに自信があったとしても、就職活動においてはある程度の準備は必要ということですね。

華やかなサッカーキャリアの中で身についていたこと

渡邉:伝えたいことの整理についてもう少し詳細を聞きたいのですが、それって西室君の強みとかにあたりますか?

西室:そうですね。僕はどんな人間で、それはこれまでのどんな経験から言えることで、その中にある強みがその会社でどう発揮できるのかということを中心に整理しました。例えば、鹿島ユースのキャプテン、法政のキャプテンを務めたことが、就職活動の場において強みになるとは思ってなかったんですね。でも、肩書だけでは強みにならないんですが、キャプテンになった背景や理由には強みが隠れているということを、サポートを受ける中で気づかせてもらったんです。名立たるチームでキャプテンを務めることは、世間的に当たり前じゃないことや、リーダーシップや組織をまとめる力がそもそもないとそのポジションに立てないこと、そして務める中でよりその力が養われていること、それこそが僕の強みだと強く認識することが出来ました。

渡邉:鹿島アントラーズユースでキャプテンを務めたという経験は、個人的にもすごいことだと思うんですが、今の西室君に大きく影響を与えているエピソードはありますか?

西室:山梨の田舎から出てきた僕が、あのクラブであのユニフォームを着てプレーできたことは誇りです。アウェイでの公式戦が遠方であって、負けた時は長時間のバス移動で寮に戻った後にも関わらず、悔しさを晴らす、納得するために、誰に言われた訳でもなくみんなが自然とグランドに出てくる常勝軍団イズムを経験していることは、就職活動だけではなく今の仕事でも活かされていますね。みんなで成し遂げる達成感を高校生で経験出来たこと、またそんな常勝チームのキャプテンとしてチームを引っ張って、チームの価値向上が個人の価値向上になることを教えてもらったことは、今の僕のベースの思考や行動になっていると思います。

渡邉:なるほど。常に勝ち続けるための思考、行動はいろんな場面での強みになりますね!西室君が数多くある職種の中から営業職を選ばれたのは、どういったところからなのでしょうか?

西室:営業職を志望したのは、結果で評価される部分はサッカーと近しいと思ったからです。目標に向けて逆算してやっていく、監督に認められるための行動を取るってことをサッカーの中で自然にやってきたので、それが営業職だと仕事の中でもより活かせると気づけて自信を持てたのが大きな理由ですね。

渡邉:サッカーを通じて得た経験がビジネスの場面でも活かせるということは、何人もの選手にインタビューをしてきましたが、僕自身も含めなかなか自分一人では気づけないっていうのがありますよね。評価は他者がするということを認識する観点でも、第三者と一緒に就職活動を進めることは重要ですね。最後に、同じような経験をしているアスリートへのアドバイスがあればお願いします!

西室:プロとしてやっている間は、セカンドキャリアや次のことを考えるという機会をなかなか持てないと思いますが、意外とサッカー選手は自由に使える時間ってあると思うんです。何か少しでも自分を見つめなおすことやスキルアップの時間に使った方がいいと、今ビジネスパーソンの立場になってみて思います。僕の場合は、当時から異業種の方とコミュニケーションを取ったり、自分が持ってないものを持っている人に会ったりしていて、就職活動でも今もその経験が活きています。特別何か新しいことを始めるとかではなく、人に会うという日常の中で、そういった方に会ってみるということを意識してみるといいんじゃないかなと思います!

渡邉:ありがとうございます!西室君が就職活動でコミュニケーションに困ったエピソードは意外でしたが、サッカーの経験の中から見つけたビジネスパーソンとしても活かせるベースのスキル、スタンスがすごく伝わってきたインタビューでした!今後のビジネス、サッカーでの飛躍を楽しみにしています!本日は、ありがとうございました!

最後に

華やかなキャリア、長けたコミュニケーション力があったとしても、就職活動の場では準備が必要だという、そんなことを教えてくれたインタビューでした!西室さんの良さ、らしさを活かしながら現職でのさらなる活躍を期待しています!

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