1.5キャリア1年目を振り返る～田中貴大～

はじめに

こんにちは！キャリアデザイン部です！

今回は「仕事もサッカーも全力」の1年を体現した田中貴大選手に振り返りインタビュー。社会人1年目とTOPチームのキャプテンの両立を務めあげた田中選手が感じた両立の大変さとそれでもやる意味とは。

前回のインタビューで「1.5キャリアのモデルになりたい」と、新しい挑戦への抱負を語ってくれた田中選手。この1年間をどう過ごしたか、そしてどんな変化や成長があったのか、1.5キャリアのリアルな部分を聞くことができました。田中選手を応援して下さるファンサポーターをはじめ、現役のアスリートやプロの世界へこれから挑戦しようとしている学生など、多くの方にご覧いただきたい内容です。ぜひご一読ください！

「仕事もサッカーも全力」の1年を体現して

―今週も1週間お疲れ様でした！仕事終わりでお疲れのところ、インタビューのお時間を頂きありがとうございます。これまで、多くの選手へインタビューをしてきましたが“その後を振り返る”というインタビューは、今回が初めてなので大変楽しみです！

早速ですが、品川CCでの初シーズン「仕事もサッカーも全力」の1年はいかがでしたか？

田中：思っていたより、強度高く両立できたと思いますね。どれだけ疲れていても、仕事でもサッカーでもこれくらいでいっか、って思うことがなかった意味ではそう言えるかなと。

―それは、入団時に期待していた1.5キャリアを体現できたということですか？

田中：そうですね！セカンドキャリアに向けて、サッカーを主とした生活から仕事を主とした生活へ時間の使い方や意識は変えつつも、これまでよりも短くなったサッカーをする時間への集中や熱量はより高められていると思います。仕事で疲れていてもサッカーがあることで幸福感を得られていますし、その逆ももちろんあります。ビジネスマンとして一人立ちすることは大切だと思いつつも、僕はいきなりサッカーがなくなる生活を考えられませんでした。こうやって少しずつビジネスマンとして出来ることが増えていくのは、徐々にサッカーからビジネスマンへシフト転換できる1.5キャリアの期間の特徴であり充実そのものだと思います。

ビジネスマンへの一歩を踏み出してみて

―両立の1年いいスタートがきれたようでよかったです！プロ引退後にビジネスマンとして働くということへの壁は高く感じてましたか？

田中：自分の中で高くしてしまっていたのかもしれません。サッカーはずっとやってきただけに、どこでも結果を残せる自信を持ってました。だから、複数のクラブを渡り歩いて海外のクラブでもそれなりに出来ると思ってチャレンジができていたんだと思います。でも、それがサッカー選手でない自分になった瞬間に、何が出来るのか全く想像できなかったですし、もちろん自信はなかったですからね。

ーサッカーであらゆる挑戦をされてきた印象だったので、ビジネスマンへの壁もそこまで高く感じてないと思っていましたが、全然違うんですね、、、！それでもビジネスマンとしての一歩を踏み出そうと思った何かきっかけがあったんでしょうか？

田中：大きく2つありますね。1つは、2020年にシンガポールでプレーをしていた時に、3カ月間コロナでロックダウンになりチームの活動を行えなかった期間です。今思えば、サッカー以外のことを考えて動けたいい期間でしたね。サッカーが出来なかったからこそ、サッカー以外の何かをしようという考えになって、オンラインでの英会話レッスンに週4日通ってみたり、PCスキルの習得に時間を割いたりして。これまで踏み出せなかったサッカー以外の新しいことを始めてみて、出来なかったことが出来るようになる過程やその瞬間は、スキルを積み上げていくゲームのようで、僕にとっては新鮮で楽しかったんですよね。そして、2つ目は年齢です。1年前のインタビューでも話しましたが、いずれにしてもビジネスマンとしてはオールドルーキーになる中で、何歳でオールドルーキーになるかを考えた時に、やはり20代のうちにという結論になったこと、あと、サッカー選手10年目という節目と重なって踏み出す決意をしましたね。

―サッカー以外の新しいチャレンジで視野が広がったり自信がついての一歩だったんですね！では、20代終盤で飛び込んだビジネスマン1年目はどうでしたか？

田中：大変なこともありましたが、着実に成長はできているかなと思います。ありがたいことに、仕事では部内上位の成績を残せていて。もちろん目に見える成果も大事だと思いますが、一番成長したと思うのは、周りに感謝される人になりたいと思って仕事に向き合う中で、サッカーでもそう思って向き合えている自分自身のスタンスの変化です。ビジネスマンとして働く経験を通じて、相手の期待、またそれ以上に応えられた時にもらえる「ありがとう」の言葉の喜びを知りました。そのために、時には自分自身へ負荷をかけて頑張ることをやりがいだと感じていて。これまで、サッカーは自分自身のためにやってきた感覚がありましたが、仕事を始めてからサッカーでも自分本位から相手本位のスタンスに変わり、今の自分の方が好きだとも思えています。

ー見えない部分での大きな変化ですね！実績を出せていることは素晴らしいことだと思いますが、大変だったことや仕事における苦労などはありましたか？

田中：やっぱり未経験の世界なので、できないことが多いことや業務における知見の浅さ、効率よく業務を遂行するスキルがなく苦労することは多かったというか、今もまだまだだなと思っているところです。でも、良い意味でプライドを持たず素直に周りへアドバイスを求め意見を受け入れ吸収できたことと、これまでのアスリート生活で培った挨拶や礼儀、一度決めたことを続ける等、特別なことでなく当たり前のことを継続できたことが、少なからず結果に繋がったと思うので、2年目はレベルを上げて続けていきたいと思いますね。できないことが悔しかったり、多少落ち込みもしますが、これを糧に成長していきたいと前向きな気持ちで日々を過ごしているので、大きな不安はないです！

現役のアスリートに向けたメッセージ

―田中選手のように今後のキャリアを考えている方は多くいらっしゃると思います。プロの世界からビジネスマンへの一歩を踏み出し、1年間体現してみて伝えたいことがあればお願いします！

田中：僕が、プロ引退後にセカンドキャリアではなく1.5キャリアを選択したことは間違いなかったです。あくまでも僕の考えにはなりますが、ライフステージに応じて急ではなく徐々に生活の比重を変えていく選択はおすすめです。サッカーで積んできた経験は、少なからず社会で活かせることをこの1年で感じていますし、もちろん余裕がなくなることはありますが、同時にやりがいを感じることもできて、両立も悪くないと思える時がきます。やり切ることを前提に、頑張り過ぎず、メリハリをつけられることは、僕の日々の充実に繋がってます。長年時間をかけてきたものから離れ、新しいことへ挑戦する一歩に壁の高さを感じていましたが、いざその世界に飛び込むと不安はなくなったし、今振り返ると考えすぎていたのかなと思っているので、多くの方に前向きな気持ちで挑戦への一歩を踏み出してほしいというのが、率直なメッセージです！どんな一歩の踏み出し方をするか、そこが重要だと思います！！

今季への抱負

―最後に今季への意気込みをお願いします！

田中：昨季終盤は怪我をしてしまい「自分が出ていたらどうなっていただろ、違う結果をもたらせたんじゃないか」という悔しい想いと申し訳ない気持ちでシーズンを終えました。去年の選手、スタッフも素晴らしかったですが、今年も同じように素晴らしい選手とスタッフが揃っています。どのポジションでも競争は起こります。去年の経験を今年に活かしながら、新しい選手と融合し必ず関東リーグに昇格します！個人としては、一日でも早く怪我を治してチームへ貢献したいし、出来ると思っています。だからこそ、全員でチームを盛り上げて、一体感を持ちながら今季を楽しみたいです！品川CCのファンサポーターのみなさん、今年も一緒に戦いましょう！

ー力強く頼もしいメッセージをありがとうございます！「仕事もサッカーも全力」への2年目の挑戦とさらなる活躍に期待しています！！